負担大きいシフトが蔓延る業界

超高齢社会となった現代社会において、福祉施設介護員の需要はとても高まっています。しかし、深刻な人材不足のため福祉施設介護員の労働環境は過酷なものとなっており、更なる人材不足になるという負のスパイラルが起こっているのです。そして、この労働環境の過酷さの要因の一つが労働時間の問題になります。
福祉施設介護員は、高齢や身体・精神的障害により自立した生活を送ることができない利用者に対して、快適な生活を送れるように援助することが主な仕事です。24時間誰かがサポートする必要があり、多くの事業所では交代勤務を行っています。一般的には、3交代制のシフトと2交代制のシフトのいずれかが取り入れられています。そして、職員の負担が少ないのは3交代制と言われています。

しかし、日本医療労働組合連合会の調べによると(2017年6月から10月)、3交代制のシフトを取り入れているのは1割にも満たず、施設のほぼ7割が2交代制で16時間以上の夜勤シフトを行っていたということです。2019年の調べでは、8割を超えてしまいました。福祉施設介護員の負担は年々増加している傾向にあるといえます。また、施設によっては人材不足によって一人での夜勤を強いられる場合もあり、休憩や仮眠が取れないという意見も出ています。一刻も早い人材の確保と環境の整備が求められているのです。

こういった問題は国も問題視しているものの、根本的に人材不足が原因のため、一筋縄ではいかないのが現状のようです。