介護や福祉関係の施設や事務所は夜勤が続いたり残業を繰り返したりしてしまうことから、職員が長時間労働になりやすい傾向があります。実際に、介護施設や福祉施設の長時間労働は7割以上が深刻な問題を抱えていると言われており、人員不足やサービス提供の問題からなかなか改善が難しいとされているようです。特に、夜勤を伴う施設の場合は入所している人たちの安全を確保するためにも長時間労働が必要だという声も多く、改善することができないという意見もあるとされています。しかし、介護職員の長時間労働は人材不足の原因ともなっているため、いずれ改善せねばならない問題といえるのです。
このような介護や福祉関係の長時間労働に対しての改善策として、変形労働時間制が活用されています。変形労働時間制とは一般的な1日8時間の法定労働時間の適用を受けずに、1カ月や1年を区切りとして平均週40時間とする考え方の労働時間制度となっています。これによって、夜勤ありの際は16時間がっつりと働き、その他の日の勤務が楽になり、施設も無駄な残業代を払わなくてよくなります。浮いた分の人件費で夜勤専従のスタッフを雇うなどの余裕が生まれます。
また、それぞれの施設に適正な職員配置や人数を割り当てることができるように配慮するなどの対策も行われていますが、こちらは人員不足が問題となっており、なかなか解消の目処がたっていないのが現状です。ただ、介護施設も福祉施設も人員配置に関しては配慮しているところも多く、今後は施設や事業所だけではなく自治体や国の努力による根本的な長時間労働の改善が期待されています。